映画「運び屋」ネタバレ有り感想
クリント・イーストウッドが十年ぶりに主演・監督を務めたということで、楽しみにしていたこの作品。別冊ニューヨークタイムズで、89歳で麻薬カルテルの運び屋となった、レオ・シャープという実在する人間をモデルにした映画。原題は “THE MULE”で、ラバという意味だけど、転じて運び屋という意味にもなるらしいです。
あらすじ
90歳になろうとするアール・ストーン（クリント・イーストウッド）は金もなく、ないがしろにした家族からも見放され、孤独な日々を送っていた。ある日、男から「車の運転さえすれば金をやる」と話を持ちかけられる。なんなく仕事をこなすが、それはメキシコ犯罪組織によるドラッグの運び屋。気ままな安全運転で大量のドラッグを運び出すが、麻薬取締局の捜査官（ブラッドリー・クーパー）の手が迫る……。（公式サイトより引用）
感想
クリント・イーストウッド監督作品は「ミリオンダラーベイビー」「グラントリノ」「パーフェクトワールド」の三作を観た。どれもすごく好きで、心に残った作品になった。クリント・イーストウッド作品が何故好きかっていうと、ストーリーに主人公のやるせなさがあるからなんだよね。ハッピーエンドではないんだけど、主人公やそれに近しい人にとってはハッピーエンドみたいな、メリーバッドエンドっていうのかな。そういうなんかちょっと考えてしまうエンドだから好き。
「運び屋」はどうだったかというと、上記の三作よりはトーンが明るいけど、やっぱりハッピーエンドとはいいがたい結末だった。
主人公のアールは、インターネットを毛嫌いしたり、ニグロという黒人差別用語を悪気なく使ったりする、ネットでは老害と言われてしまう分類の人だった。ネットを毛嫌いしてたら、時代に取り残されてユリ農園を潰してしまい、金と居場所がなくて困っていたら運び屋の仕事を紹介されたという流れだ。
運び屋の仕事を始めて、シリアスになるのかなと思っていたらカルテルのギャングにも物怖じせずにジョークを言ったり、マイペースに鼻歌を歌ったりするアールのお陰で笑いが絶えなかった。
アールは見栄っ張りなのもそうなんだけど、自分の居場所を失うことを恐れてた気もする。孫の結婚式費用を出すだけでやめずに、ユリ農園を買い戻し、火事で再開できなくなっていた退役軍人会のバーに寄付をした。自分の居場所を取り戻すためにお金を使っている。寂しい人だなと思った。後に妻と和解して本音を語るシーンがあるんだけど、彼が家を顧みずに外に向かうのは「家では役立たず」だからだと言う。多分、立派で尊敬されている自分でないと居場所がないと思っていたんだろうな。全然そんなことないのに。
アールは二グロって言葉を黒人に使う以外に、一見男性に見えるごつい女性に兄ちゃんって言ったりする。悪気なく差別用語を使うんだけど、態度は明るいまま変わらないんだよね。「最強のふたり」という映画でも思ったけど、本当に差別しないってことは誰とでも同じように接するってことなのかなと思った。私の祖父もそうだったから思うんだけど、高齢の方って悪気なく差別する人が多い。今は黒人を二グロって言わない、外見で人を判断してはいけないってこの歳で学ぶ。学ぶこと、色々なことを知るのに歳は関係ないということをフューチャーしたシーンなのかなって思った。
大きな仕事を任せられるようになったアールには監視役のフリオが付くようになって、最初はこのフリオ、隙あらば殺してやるジジイと息巻いてたんだけど、あくまでマイペースなアールに段々絆されるのが微笑ましかった。アールもアールで、フリオのことを心配するんだよね。「この仕事は向いてないからやめた方がいい」って言うんだけど「組織は家族だ。やめることなんて考えられない」って言うから、アールはそれ以上何か言うのを諦めるんだけど、組織は家族という言葉でアールは辞めろって言葉を言えなくなったんだと思う。家族を蔑ろにして、今更大切にしようと思い始めたアールだったから、いつもは思ったことを遠慮なくいう彼はなにも言えなくなったんだと思った。
途中、麻薬捜査官のコリンと会話しているところは肝が冷えた。流石に店の外まで追いかけてきたときはアールも表情が固まっていたから、肝が冷えてたんじゃないかなと思う。
判決が出た後の「なんでも買えるようになったが、時間だけは手に入らなかった」というセリフが切なくて仕方がなかった。妻とやり直したいと思った時には妻は不治の病で、取り返しがつかなくなっていて。大金が手に入っても、結局大切なものは手に入らない皮肉が悲しかった。
フリオとの絆をここまで描くなら、もう少し掘り下げた方がよかったのでは？なんて思ったけど、フリオとの絆を描いたのは麻薬カルテルとの決裂でラストの逮捕への加速だったんだろうか。そこらへんはなんかちょっと詰め込み過ぎで中途半端に感じた。
ラストは刑務所で楽しそうにデイリリーを育てているアールの姿が映し出されて終わる。妻は失ってしまったけれど、家族とはやり直せて、刑務所の中でも楽しみを見つけられて、いい後味だった。多分、アールが刑務所の中でも楽しそうだったからだと思う。
なんで好んで育ててる花がデイリリーだったのかなって考えてたんだけど、この映画のアールのメタファーなのかなって深読み。人生のほんのひとときだけの運び屋。ほんのひとときだけの妻との幸福。まあ、アメリカで品種改良が盛んにされてコンテストも盛んっていう理由だけかもしれないけど。
DREAM!ingとReadyyy!を始めたレポ
まーたアイドル物始めちゃったよ。友達から勧められたReadyyy!とDREAM!ingというアプリのイベントを推しを見つけてもいないのに爆走している。程よい脳死感が仕事の後ベッドの上で寝っ転がって手持無沙汰なときに気軽にできてハマる。
ブログをググってもあんまりプレイレポとか、攻略とか見つからなかったので、個人的なメモとして残しておこうと思う。
Readyyy!
新人プロデューサーがデビュー前の五つのユニットをプロデュースするというアプリ。
ストーリーは毒にも薬にもならない無難な感じ。個人的にはうたプリくらいぶっ飛んでるものが好きなので私的には物足りなかった。うたプリ知ってる人に分かりやすく言うと、シャニライのストーリーを若干内容ある感じにしたような風。いや、でも、逆にこぶしで地面を割るとか魔王が復活して歌の力で倒すとかぶっ飛んだ話が苦手な人はすごくハマるストーリーだと思う。
LIVE２Dの技術がめちゃめちゃすごくて、作画のいいアニメを見ているよう。最近の女性向けソシャゲすごくないですか？ホーム画面もLIVE２Dだったらもっと嬉しかったな～。
尖ったキャラはいなくて、でもツンデレからショタまでツボは抑えていて、雰囲気がとてもいい。ショタと言っても高校一年生らしいが、小学生にしか見えない子がいる。（合法ショタ）
今開催されているイベントは【オニキスフェス！36.9℃のシャルマン】で、☆５十夜が報酬のイベント。オニキスって鬼キスのことだと思ってて、さぞかしヤバイキスをかますストーリーなんだろうなとか思ってたけど、普通に宝石のことだった。私の無学を笑え！！
プロフィールの時点で気になっていた香坂安吾くんが☆４報酬だったので、イベントを走ることにした。香坂安吾くんはRayGlanZという三人組ユニットの一人で、真面目な性格で、趣味が家事全般という家庭的な一面を持っている。家事全般を趣味にしているのすごくないですか？家事全般を趣味にする人そんなにいないと思うよ。ゴールデンタイムのテレビで家事アイドルとしてコーナーを持ちそう。「埃を立てないで掃除するには千切った新聞紙を濡らして一緒にはくといいんですよ」なんて微笑まれた時には毎日新聞紙ちぎるよね。私は死ぬほど家事が嫌いなので家事好きなキャラを見ると尊敬してしまう。多分DNAからして違う。
嫌いなものが自分から見て愚かに思えること、らしい。字面だけだとめちゃめちゃ怖い。具体的になんなんだろう……。部屋を片付けないとかだったら私にグサグサ刺さるので悲しい。
そして弓道をやっているらしい。あ～いいですね～。過去一番課金した男（不破先輩）も弓道男子だったので惹かれるものがあります。
真面目で家事ができて武道をする男に弱いのでこのまま推しになりそうな気がする。
私が始める前はポイント取りづらかったらしいんだけど、調整が入ったのでめちゃめちゃポイントが取りやすくなったんだとか。始めたばかりの私でも上級でS評価が取れるくらい。20％に入るくらいのかる～く走ってみた自分なりの攻略を書きます。
- 無課金/アイテム購入でダイヤ120個とドリンク75個と交換
- 特攻は☆4藤原蒼士×３、☆3綾崎小麦×３
- イベント初日に始めたので、戦力を整えながら走った
このゲーム、スキルが一番大事です。なので、ボーカルレッスンでアイドルスキル取得できるフォトを多く持っているキャラをメンバーに選んだ結果、千紘と安吾と蒼士だったので、この三人で周回していくことを決めた。千紘の【アイドルの舞台裏】のアイドルスキルはパッション50％以上発動でいずれかの評価タイミング時だからすごくスコアが伸びた。特攻フォトの筋力レッスンで取れるスキルも合わせると1人で12000くらい取るので千紘がスキル取れるかどうかにかかってる。安吾のスキルもレイグラのメンツがいると効果が高いのでかみ合ってるし、蒼士の特攻フォトスキルも安吾がいると効果が高いのでかみ合っていて、スキルが全員分取れると27000くらいスコアが取れる。
(青文字でアイドルスキルと出ていたら選択するとアイドルスキルが獲得できる)
私はまだよくわかっていないんだけど、ポジションによってサポートするタイミングが変わるらしい。ポジションがボーカルの人は、マイクのアイコンの時にサポートするとスコアが伸びるんだとか…。
あとスキルも歌唱評価時とかアピール評価時とか指定がある時があるので、スキルに合わせてサポートしてもスコアが伸びてる気がする。(統計は取ってないので体感です)
スキルが取れないとS評価取れずに獲得ポイントが下がるので、SPを０のままにして流してる。
イベントチャプターのキャラに特攻フォトを入れる必要はなく、持っているだけで特攻が発揮される親切設計。でも特攻フォト、ボーカルレッスンでアイドルスキル取れるので普通に入れている。
目標の☆4安吾取るまでドリンクを飲んでひたすらSクリアできる中級を周回。報酬の特攻が揃うと同時に強化ポイントとコインもたまるので、フォトを全て上げられるだけレベルを上げた。ていうか、レベルを上げないとアイドルスキルを使えないフォトもあるのでレベルは上げられるときに上げといたほうがいいと思う。レッスンのときに得られるパラメーターも上がるし。
上級を回れるようになったので、期待度☆4の特別ライブでSPを５つぎ込んで、後は20パーセントから落ちないように自然回復ベースで走ってます。
フォトの☆5開花素材はガチャから取れるけど、☆4以下ってどこで手に入るんだろう…と思ってたらメインチャプターでしか手に入らないっぽいです。上位走ってなきゃエナジーバー余るからSP回復の間、フォト強化チャプターかメインチャプターを周回してます。
このゲーム、ライブを一切飛ばすことができないので、必然的に同じ曲を何度も聞くことになる。このイベントの曲はRayGlanZの曲で、サビが「ピリピリアーイ」という謎のフレーズを繰り返すんだけど、もう何回ピリピリしたか覚えていない。何回もピリピリしてるので、風呂とかでも気を抜くと口ずさんでいる。一種の洗脳である。
めちゃめちゃPVがかっこいい。光る棒振る一般モブオタクになってしまう。
DREAM!ing
友達がサンバウイルスの動画を見せてくれて、どんなとち狂ったゲームなのか気になったのでインスコした。あながち印象は間違っていなくて、キャラが濃いし、ストーリーも設定がぶっ飛んでいるのに登場人物が真面目にそれを受け入れるのでそのギャップに笑わせられる。首席になるとなんかすごい権力が手に入るというふんわりした設定すぎてさらに笑ってしまった。どんだけ太いパイプを持ってるんだ、この学園。
公式サイトを見てもさっぱり分からなかった「ゆめライブ」だが、ストーリーを読み進めても何故アイドルでもない高校生がライブをする必要があるのかさっぱり分からなかった。それぞれの技能を生かしたアピールとかではダメなのか？考えるな、感じろってことなんだろう。
キャラがみんな魅力的で、全員可愛いので推しが中々決まらない。好きになった子が好きなのでこの子にハマりそうとかも特にない…強いて言うなら育ちの良さそうなキャラもしくは生真面目もしくは最初塩対応な人かな…。
(このゲームもしかしてバカなのか？と思った)
ストーリーはヘリで登校したり包丁で刺されて倒れてる人がいたりと、とち狂ってて所々笑うんだけど、文章が読みやすくて次々読める。こういうツッコミ入れながら読むゲーム大好き。
(クレイジーサイコホモも出てくる)
女性向けゲームには珍しく、プレイヤーのアバターとなるヒロイン役がいない。友達曰く一部は悠馬くんが主人公なんだとか。じゃあ私はなに……？悠馬くんのストーカーですか？？？とりあえず、登場人物の心を読める超能力者のストーカーとして自分を設定して読んでる。
なんとこのゲーム、キャラクターたちがそれぞれペアで同室なので、ブロマンスが好きな人にはおすすめ。何を隠そう同室大好きなので、全男子高校生が全寮制の同室になってほしい。正反対の2人が無理やり共同生活して絆を深めていくの最高です。
運良く特攻が揃ったのでイベントを走ることにした。イベントのシステムはA3！と似た感じで走りやすかった。A3みたく特攻で埋めなきゃキツイのかな〜と思ってたけど、始めたばかりでも普通に1400位くらいなので、特攻さえ引いちゃえばそこまで走るのがキツイアプリじゃないと思う。500位以内とかが団子なのかもしれない。
始めたばかりだとジュエルが不足しがちなので、ドリームロードが開けられない。しかも変身で必要なジュエルはミッションか交換でしか手に入らないらしい。マジかよ！スキル上げのやつと交換しちゃったよ！！まあ、でも、イベント走ってるとメダル結構たまるので毎回そこそこ走ってれば手に入るかな？と楽観視してる。
レベルを上げるポイントみたいなやつも枯渇しがちなのでデッキを強くするのに一苦労してる。
A3はダイヤが溜まりやすかったから出てくる公演全て殴ってたけど、ドリミは中々ダイヤが溜まりづらいので、ノーマル以上を殴ってる。デッキを強くしてBP2くらいで殴れるようになりたい…。
イベントストーリーはシリアスな雰囲気なのに突然ぶち込まれる死のサンバとかSMBという単語で笑わせてくるからいけない。(死のサンバってなんだよ！？)しかも世界観が壮大すぎる。世界を救う話になってるけど、高校生もののアプリじゃないのかこれ。最後は時雨と真也の熱い友情に笑顔になるストーリーだった。
真也くんて、頰に絆創膏してるし赤髪だからスポーツ少年だと思ってたらまさかの医者だった。疑問なんだけど、高校2年生で医者っていつ医師免許取ったんですかね…？海外で飛び級したんだろうか…。それとも無免許医なんだろうか。まさかのブラックジャック。
そして真也くんの趣味、「幸福な家庭を見ながら1人ご飯」なんだけど。
暗すぎないか！？！？
怖いよ、闇が深そうだよ。大丈夫？イマジナリーフレンドとか作ってない？？？第一印象とキャラ設定のギャップがあまりにもありすぎたキャラだった。
時雨くんは友達の推し。礼儀正しそうな子だなーと思っていたら、マフィアの息子らしい。マフィアの息子ってこと公言して敵ファミリーから狙われたりしないんだろうか…？と思わなくもない。プロフィールを見た感じまともそうと思ってしまったのはドリミに侵食されてる証拠だろうか。
他にも突っ込みたいプロフィールのキャラばっかりなくらいみんなキャラが濃い。
ドリミとレディー！を行き来してると温度差で風邪ひきそうだけど楽しい。推しができるまで２つとも頑張って続けたいと思う。
華アワセ蛟編 蛟ルート感想
通販でポチる前、絵がラキドの人やんけ！？と初見で思ったので、森の中の小屋で××とか路地裏で××とかするのかな…と不安になったりもしましたが、そもそも全年齢なのでそんなことはなかった（一部の方々を除き）
まず、拍手コメントでこれをお勧めしてくれた方にお礼が言いたいです。めっっっっちゃ楽しめました。ありがとうございました。
他にも面白い乙女ゲームとかあれば、また教えていただければ嬉しいです！！
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華アワセ 蛟編
1,540円
続きからネタバレありの感想です。
続きを読むVSセクシーな咳払いをする女
喉がイガイガしたとき、誰だって咳払いをすると思う。爽快感を求めて思いっきり咳払いする人、羞恥心から控えめに咳払いする人、色々いると思う。そんな中、私が中学生の頃だったんだけど、妙にセクシーな咳払いをする女がいた。
セクシーな咳払いってどんなんだよ、と思うかもしれない。このセクシーさが文字で伝え切れるか分からないけど、とりあえず擬音で書いてみようと思う。
ウンウンウン♡アン♡エン♡
殆ど喘いでいる。
同じ塾の人だったんだけど、授業中は静かなのに、テストになると途端にスイッチが入るのか咳払いを始める。
しかもしつこくエウンエウン♡言ってるわけだ。どんだけ喉がイガイガしてるんだ。そんな喘いでるから咳払いの本来の役割が果たせないんだぞ。とテスト中の私は気になって気になって発狂しそうだった。いや、もう気になっている時点で彼女の術中だったのかもしれない。
セクシーな咳払いをする人は、何故セクシーになってしまうんだろう？理由を考えてみた。
1.周りに魅力を振りまいている
2.可愛らしく咳払いをしようと思ったら喘いでるみたいになった
3.周りを撹乱している
順当に考えれば2番が正解かもしれないけど、私はあえて3番を推したい。実際に私は惑わされたからね。アウンエウン♡に集中力を削がれてテストへの戦意を失ってしまったからね。(勉強してなかっただけとも言う)
もーね、気にしなければいい、集中力が足りないと思う人もいるかもしれないけどね、エンアンウン♡って近くで喘いでる人前にして気にせずにいられます？試しにバイノーラルの耳舐めCD聴きながら読書してみてよ。何も頭に入ってこないと思うから。いや、私は耐えれるね！って人は前世は高僧か何かだと思うから、その集中力をこれからも生かしてください。私は元々集中力のない人間で、近所の音の外れた吹奏楽部の音でもムシャクシャしていたから。そんな集中力のない人間が、セクシー咳払いに耐えられるかって言ったら無理じゃない？
ていうか、なんで静かになった途端にセクシーになるんだよ。そんなんなら、賑やかな時でもセクシーでいいじゃん。年中無休でセクシーでいいじゃん。セクシーの大売り出ししたら買い手だっているはず。そうしたら段々耐性ができて、「あ、この人はセクシーな人なんだ」ってなるじゃん。中途半端に静かな時だけセクシーになるから戸惑って気が散るんだよ。誰のためのセクシーかってことなんだよね。男子のためのセクシーでしょ？私のような喪女にクリティカルヒットさせてどうするつもり！？こっちとしてはセクシーハラスメントなんだよね。男子の前で存分に喘げばいいじゃん！！！
もう、段々イライラが溜まって、黙らせてやろうと対抗心が湧いてくるわけですね。咳払いのウザさを身をもって知ってもらおうと私も咳払いで対抗です。俺のターン！咳払い！
そしたらね、咳払い仲間ができて嬉しかったのか、対抗心か分からないけどもうラブホ並みに喘ぐわけですよ。中学生の塾なのに。青少年保護法がしかめっ面でこっち見てるぞ！これは強めに灸を据えないとダメだな、と思ってこっちも恥も外聞も捨てて全力投球の咳払いをするわけ。
オ゛ンア゛ア゛ン
ウンアウンウン♡
う゛う゛んお゛ん
エンエンウン♡
止まらねえ。
男子もいる中、多感な思春期に女を捨ててまで全力の咳払いしてるのに止まらねえ。
もうなんなんだよ、咳払いの輪唱かよ。
完全なる私の敗北だった。かわいさとか、静かなテスト環境とか、何もかも失ったよね。いや、独り相撲とも言えるんだけど。
だから私はセクシーな咳払いをする人に怯えている。ちょっとでも可愛い顔をしていると、「コイツ、セクシーな咳払いをしないだろうな」という猜疑心が生まれる。セクシーな咳払いをする女、滅すべし。
