Code:Realize ~創世の姫君~ インピールート感想
シナリオの重たいギャルゲープレイしてて、唐突に乙女ゲームやりたくなりました。シナリオがいいよ!泣ける!ってコドリアを爆推しされたので買いました。
乙女ゲームは共通ルートもサクサクできていいな~と思いながらプレイ。
インピーの初見→お調子者のフェミニスト。寿嶺二
インピー・バービケーンっていうのは小説「月世界旅行」の登場人物です。私はサイレント映画でこれを見ましたが、ミサイルのようなロケットで月に行くらへんが原作に準じてるところなのかなと思いました。あと、原作に登場する小ネタもコドリアであって楽しかったです。
下記よりネタバレとおおまかなあらすじありなので隠します。
身内からイジられるキャラはネタ的に美味しくて好きです。森久保さんはいじられ役がうまいなあ。それだけじゃなく、 こういう明るいキャラは過去に大きな傷をもっていて実は二面性があったりするんだよ…さあいつその道化の仮面を脱いで棘だらけの君をみせてくれるんだ…?(ニヤニヤ)という私の勝手な憶測により闇持ちキャラに認定されて攻略一番目になりました。
結論からいうと。
二面性なんて無かったね!!!
インピーは最初から最後までいいやつでした。悲しき過去を道化の仮面で隠すピエロとかではなかった。悲しき過去はあったけど。
主人公がインピーに攻略されるルートでしたね。
歯の浮くようなセリフを初っぱなから言い始めるインピーに、主人公はスルーを決め込んでいたり、冷静で辛辣なツッコミを入きます。それでもめげないインピー。お前はまさしく考える葦だよインピー。
なぜなのかは語られませんでしたが、彼はやたらとアジアのことわざを使いたがります。使いたがるわりにどこかおかしい。
カジノのスロットのところで、「俺がコイツで当たりを引き出したら、俺を愛してくれるかい?」
「愛しはしないけど、すごいって思う」
「よっしゃあ!今はその一言で十分!アジアには1000ヤードの道も一歩からなんて言葉もあるんだ!」
前向きすぎてもう落ちてもいいんじゃないかな?と思わずカルディアに問いかけていた。
そして、1000ヤードって一キロないくらいだから短くね???あの名作母をたずねて三千里が3000ヤードだったらそれ「はじめてのおつかい」レベルだぞ。(ある意味名作になるかもしれない)と思っていたら主人公も心の中でツッコんでいたw
「プリンスは危うきに近寄らず」とか。インピーそれプリンス(王子)ちゃう。君子(教養があり徳が高い人)や。
インピールートはアイザックに関係が深そうな、ネモを一緒に探すのが最初の目的です。で、ネモはあっさり見つかるのですが、彼は大切な研究を空賊に奪われてしまっていたのでお人好しの二人は取り返してあげることを約束します。
共通ルートで超人的な身体能力を発揮したり、ドラクロワのこと複雑そうに見てたり、ドラクロワの屋敷のこと「なーんか寂れてんなー」とぽつっといったことといい、伏線張りまくりでしたが、ルートに入った途端、インピーは吸血鬼だと言うことが明かされます。本人も隠す気はなかったそうなのでバレバレでしたね。
空賊からネモの発明品を取り返した二人はネモの研究施設に招かれます。
ネモはアイザックの弟子ということがわかり、ホムンクルス研究にも関わっていたことが判明。魂など無い人モドキの怪物といわれ、血の気が引く主人公。ホムンクルス研究は賢者の石を作るためにあるんやでとさらっと重大な事実を話しちゃうネモ。
で、出た~~~!!錬金術の世界で必ず出てくる禁忌の石「賢者の石」~~~!!!
私が賢者の石もってたら世界の平和のために使うのに……
嘘です。巨万の富と従順に言うことをきいてくれるメンズを錬成してウハウハでファビュラスな生活を送る。
ここで私の頭の中では「クソ……もってかれた…!」とか「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」とかが飛び交っていた。賢者の石を求めたアイザックはもしかして誰かを生き返らせたかったのでは…?真理に身体を持って行かれない為の通行料として賢者の石を求めているのでは(ハガレン脳)まあ結局インピールートではアイザックがなぜ賢者の石を求めたか明かされないので私の予想にすぎないのですが。
なんだかんだあって二人ともネモに捕まります。なんと彼は黄昏と繋がっていて、カルディアのホロロギウムを狙っていたのだ!カルディアのホロロギウムは採取されてしまい、飛行要塞ノーチラスの動力源として使われる。ノーチラスにはインピーの探していた重力緩和装置が搭載されていた。
インピーが自分のことを繰り返し声高に天才技師だと言うのはとも合わない実力へのコンプレックスがあるんだろうか…なんて深読みもしましたが、こいつ自信家で前向きなだけだった。いや、インピーは悪くないよ。君はそのままでいい。
むしろ嫌みじゃなくて、こういう前向きで明るくて裏表のないところが主人公が心を開いていくきっかけになったんだと思います。インピーが「愛してる」って言われたら空も飛べると言ったら、主人公も信じて「愛してる」って言えたしね。最初は苦手だったのに、インピーは裏切らないっていう信頼が主人公の中に生まれていて、とてもよかった。
ぶっちゃけあのシーン、吸血鬼だから本当に空が飛べるとおもった。この世界の吸血鬼は空はとべないみたいです(笑)
カルディアのホロロギウムは欠けたことによって、変質してしまい、毒が弱くなるんですけど、ここですかさずインピーがカルディアに触れたことがイケメン過ぎた。フランにとがめられても、「平気だったからいーじゃん」の一言で済ませてしまうインピーがかっこいい。自分の危険を顧みないで、現実を前向きに捉えて主人公を励ますところは本当にインピーの素晴らしいところだと思います。
ネモはカルディアを渡さないとノーチラスでロンドンを火の海にするぞ!有言実行だから一部燃やしました☆と破壊活動をし始めたので、女王が激おこ。イギリスVSネモ+黄昏の全面戦争になり、カルディア達も勿論参戦。
インピーが口癖のように言っていた月へ行きたいという願いは、ちゃんと理由があって、科学の素晴らしさを教えてくれた吸血鬼のじいさんとの悲願だった。
じいさんとの開発チームの名前は「大砲クラブ」。月世界旅行の元ネタにもある名前でニヤリとしました。元ネタでは砲弾に乗って月に行こうとするので大砲クラブなのです。確か月は見たんですけど、月には行けなかったんでしたっけ?
科学は戦うための力じゃない。科学は、夢で希望で光じゃなければいけない。かつて、なにも生きる目的がなかったインピーを救ったように。それを伝えるために彼は月へ行きたいんだと言う。
このあとの自分のことをまがい物、魂がないと卑下するカルディアに言うインピーのセリフが好きなので引用します。
「……俺さ、すげえと思ったんだ」「科学ってのは人の夢や希望で……君はいうなれば、科学の子」「だから君はさ……純度100%。人の夢と、希望でできてるんだ」
イケメンすぎ!!!
なんていうかもう…言葉選びが素晴らしすぎる。ホムンクルスは人間じゃないというマイナスな言葉を科学の子という言葉に置き換えて、インピーの信じる美しい「科学」というものに主人公を照らし合わせている。思うに科学が美しいんじゃなくて、科学を美しいものだと信じるインピーの心が美しいんだよな。科学を美しいものだと信じるインピーの心が美しいんだよな(いいこといった顔)
プロポーズの言葉も最高だった。その後のキススチルが美しすぎて、主人公とインピーが目を閉じると共に、そっと私も目を閉じた。私が目を閉じる必要は無くてただただ荘厳なBGMが流れるだけだった。
そしてノーチラスに乗り込むインピーとカルディアはサクッと重力緩和装置のところにいるネモに会いに行く。そして重力緩和装置を暴走させてネモを追い詰める。
ここら辺の展開ものすごくアツかった。「不可能を可能にするための人の夢だ!」とか「汚ぇ手でその子にさわんな!」とかほんとにヒーロー様々。
ネモの最期は悲しかった。泣きながらアイザックがどこかで自分の所行を見ていると信じて叫ぶ姿は痛々しかった。アイザックに最後まで執着していたのは、アイザックが唯一ネモの才能を一度でも認めた人だったからなのかな、と思った。最後に浮かんだ言葉は誰か、ワタシを――だったわけだけど、ワタシを褒めてほしい、認めてほしいが続く言葉なのかなと思う。世界を手に入れるとかどうでもよかったと思う。インピーの言葉によってなんで自分が満たされないのか知って、死ぬ間際に泣きながらアイザックにそれを求めるネモの姿はとても悲しかった。
脱出の間際の選択肢によってBADかトゥルーに別れるみたいです。
バッド
インピーは死ぬけど、あんまり悲しいエンドではなかった。主人公がインピーとの夢を叶えようと奔走してるからかな?科学は人の夢で、希望だから、その夢を追えばいつか会えるかも…って思ってるのかも。主人公は前向きだけど、現実としてインピーがいないことを受け入れていくのはまだかかるのかな~という感じだった。
ていうかむしろネモが死ぬシーンの方が私は悲しかった。べ、別にネモのこと好きじゃないんだからね///
他の選択肢間違えのバッドも見たけど特に内容のあるものじゃなかったので割愛。
トゥルー
テムズ川に墜落して奇跡的に助かります。
助かったのでいちゃいちゃモード。瞼にキスの意味は憧憬……なんだけどこの場合は主人公が科学の子だから憧れをもっているのかな?
サンはイデア関係でフランスに行ったの?屋敷ごとくれるなんて太っ腹すぎる。
ヴァンお前フィーニス倒す気満々だったけどもういいのか…?というか薄々思ってたけどドラちゃんの親代わりなの???親ばかなの???
月に打ち上げる試作品一号が完成し、打ち上げは成功する。けど、肉眼では月に到着するかわからない。 元ネタでも打ち上げには成功したけど、軌道がずれて月には着陸できなかったし。でも、成否なんて今の二人には関係ないんだよね。インピー風に言うなら愛故に!二人はこれからも長いときを一緒にいるって約束を形にしたから。もう絶対お互いに触れられないのに結婚しちゃうなんて、二人とも器がでかい。なんかこのコドリア的には月にいけなくても、二人が結婚しただけで十分いい話やん。ええやんと思った。
謎は残ったけど、展開アツかったし、いい話に纏められてたし概ね満足なルートでした。インピーは二面性がない前向きでいいやつ!誰だ!!こいつ絶対闇を抱えてるだろ~(ゲス笑い)とか言ってたやつ!!インピーに謝れ!!
でも、これ主人公が美しい容姿設定だったからあれでしたけど、現実の私のようにライザップのCMのビフォアみたいな体型の女だったとしてもインピーは一目惚れしてくれて、君の外見のように美しい心はあるって言ってくれるのかな……と喪女的には思いました。二次元は現実じゃない。世知辛いね…。
インピールートでは解決してない多くの謎が残りました。
・ネモと黄昏って結局なんの利害関係で手を組んでたの?
・フランが探してるものと、女王との確執とは?
・ルパンはそもそもどういう理由で主人公を盗んだの?
・屋敷にいた大きな影の正体は?
・吸血鬼戦争の発端はなに?
・主人公の毒はどうすんの?
・サンなんでフィーニス殺したし……
・ヴァンはなんで黄昏やめてフィーニス殺そうとしていたの?
・主人公の毒がその場にとどまる性質をもってて同じ空間にいることがやばいなら屋敷にいる人みんなやばかったのでは…?
・てかアイザックどこいった?死んだ?
あと、予想なんですけど、アイザックは賢者の石を生成することで誰かを生き返らせようとしてるんじゃないでしょうか。カルディアは自分の娘か、奥さんに似せて作ったホムンクルスとかありえそうじゃない?
次はフランやろうと思います。どの位残った謎が解けるのか楽しみ。