全力疾走日記

喪女でオタクで腐女子というトリプルコンボを決めた女が感想とか日々のあれこれをかくよ

BL漫画爆買いしたから感想書く

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猛烈にBLが読みたい時期って、ない?

全身がBL求めていて、ウケるって文字に受け!?と反応しちゃうほど脳のBL受容器がバグってる時期あるよね〜!(ないよね〜!)

 

参考程度に私の好みのBL・耽美作品書いておこうと思う。

【殿堂入り】

残酷な神が支配する(萩尾望都)、清閑寺シリーズ(和泉桂)、同級生(中村明日美子)、美少年・美剣士(小野塚カホリ)、木原音瀬作品

【すき】

500年の営み(山中ヒコ)、どこにもない国(草間さかえ)、蟷螂の檻(彩景でりこ)、おげれつたなか作品、犬飼のの作品

 

全部読んでる人はわかると思うけど、わりと執着がすきです。全部おすすめ。

 

※レビューではないので感想部分はストーリーのネタバレしてます※

※濡れ場に言及してるので小さな子は読まないでね※

 

 

 

 

 フェイクファー

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あらすじ

『セックスもできる友達』関係だった烏星と雨井。突然ハワイに行きたいと言い出した烏星を雨井が連れて行った先は、はわい町だった。小さな町の小さな家に辿りつくふたり。そこは、雨井が幼い頃、自分を置いて行った母親と暮らした家だった――。置いていかれても笑おうとする男と、自分と向き合うのが苦手な男は、少しずつ大きくなる自分の気持ちに翻弄され――!?

 

CP・属性

フェイクファー 

雨井(表紙右)×烏星(表紙左)

 健気一途攻め×セフレの多い受け

週刊少年ボーイズラブ

鳴門×五反田

五反田が嫌いなノンケ攻め×ウブなゲイ受け

 

感想

この作者の不死身の命日という連載作品に萌えたのでコミックスも買ってみた。プライド激高お坊ちゃんにぶちん勘違い受け好きな人は不死身の命日おすすめ。初めて芽生えた恋愛感情を「これが…敗北の味!」と男として敗北(お姫様抱っこ)したからだと勘違いしてしまう。あまりにもかわいい。

いや、私は受けでも攻めでも少女漫画のヒーローでも金持ち属性が好きなので色目入ってるかもしれない。身分差の恋って障害が沢山あって好きだしそもそもの金持ちキャラの上品な雰囲気が好き。花咲ける青少年のユージィンとか魔性の男だけど上品じゃん。

 

なんの話だよ。感想書きます。

 

印象的なシーンがある。

 

どこでもよかった。遠くならどこでもよかったんだ。

 

家族に自分の性的指向を認めてもらえず、殴り合いの喧嘩になってしまったと話した後に烏星が言ったセリフ。

彼ほど辛い経験をした訳ではないけど、私も辛いとき何もかも放り出してどこか遠くに行ってしまいたいと思うときがあるので、このセリフにはすごく共感できた。本当に遠くに行きたい訳じゃなく、自分のしがらみとか、辛さとかから逃げ出したいんだよね。

こう言う心の動きをディフェンス・メカニズムの中の逃避行動というらしい。心をストレスから守るためにする行動なんだと。沢山のセフレがいたのも家族に認められず抑圧された結果の置き換えなのかなと思った。正直家族からの愛情不足で恋人に代わりの愛を求める人間はめちゃめちゃツボなので萌えるなーと思って読んでた。

攻めはやっぱりセフレがいたことに嫉妬してたんだけど、別に俺の気持ちを押し付けるつもりはない。別に俺だけ見なくていいからこれからも相手してくれっていうんですよ。

 

え……聖人……?

 

なんか…イエスキリストの生まれ変わりとか?新興宗教の教祖みたいな例えしてしまった。七回赦せばいいですか?って弟子が聞いたらその倍の七十は赦しなさいとか言いそう。

いやだってそれってセフレのままでいいってことじゃん…

 

受けも思わずお前俺のどこがそんなに好きなわけ!?と聞いてしまう

 

ほんまにな(ド失礼)

 

今のところ愛情不足なところしかいいところを見つけられていないが、多分描かれてないだけで私の知らないいいところが沢山あるんだろう。

 

聖人だと思ってた攻めは母親が出て行ってしまったことが傷になっていて、期待するのを諦めていたらしい。どこにもいかないでくれと子供みたいに泣く攻めの姿は非常に庇護欲を誘った。人格に問題がある攻めかどうしようもない子供みたいな攻めが大好きなので萌えた。やっぱそんな執着を全て捨て去った聖人みたいなやつが恋愛感情持つの違和感あるからこの話の攻めが人間でよかった。

後書きを読んでタイトルに込められた意味になるほどな〜となった。

 

もう一つの収録作の方が個人的にはかわいくて萌えた。毎日ファッキンな現実を生きてるため、BL漫画はちゃおとかマーガレットにのってそうなかわいいやつも大好き。

同じサッカー部のエースの五反田のことを嫌っていた鳴門は帰り道に「一緒にAVを観て欲しい」と言われる。訳を聞くと、今まで男にしか興奮したことがないのでAVで女子に興奮する練習をしたいと言う。AVを一緒に見ることになるが…!?という話。

鳴門が何で抜いてるんだ?と聞くと、「抜いてない、収まるまで走ってたりしてた」と言うので修行僧ですか?と思ってしまった。オイオイオイ性欲の強い思春期でそんな禁欲してたら後でとんでもない性癖に目覚めるかもしれんぞ。ドラゴンカーセックスでしか興奮しない男になったらどうする???

 

2人でAVを観ているときに、鳴門が

 

「お前突っ込むのと突っ込まれるのだったらどっちがいいんだよ?」

 

となんとなく聞いたら五反田が真っ赤になって

 

「わ  わからな  い……」

「考えたこと…  ないな」

 

とぎこちなく言うのがあまりにも萌えで一旦スマホを置き、ニヤつく顔を抑えながら上を向いてフゥーーーーーーーーとクソデカため息をついてしまった。

もうさ、ウブな受けってなんでこんなかわいいんですか?BL天然記念物に指定して国で保護して欲しい。そしたらBL国立公園でガイドやるので。右手に見えますのはウブ受け左手に見えますのは高層マンションの窓に受けを押し付けてしまう俺様ワンマン社長攻め(絶滅危惧種)ですとか言いたい。そんなんウブ受けの起源とか語っちゃうよ。

そりゃグッと来ちゃうよ鳴門も。天然記念物だもん。パンダが可愛いのと一緒ですね。生存競争に強くない生き物は総じてかわいいです。

 

五反田は鳴門とセックスしたあと、

 

「ごめん 俺、鳴門のこと前からかっこいいと思ってた」

「きっとこの先もあまり喋ることないと思ってたのに」

「漫画の主人公みたいだ」

 

と言って笑うんだけど、女の人が無理なことがわかってどうすればいいのかと泣くんだよね。ここでの鳴門がイケメンムーブでさ〜〜〜

一生……守ってやれよ……と親指を立てて溶鉱炉に沈んでしまったね。

 

ラストに

 

こんなバカなセリフが許されるのは何マンガというんだろうか

 

っていうモノローグが出てきてタイトルを見るじゃないですか

 

「週刊少年ボーイズラブ」

 

上手いッッッ!!!!!

 

全て読んでからタイトルの真の意味が分かる作りになってる話すごい好きなんだよね。好きな映画で例えてしまうけど、三度目の殺人とか怒りとか。私がBL漫画大賞の審査員だったら作者にタイトルで賞送りたい。

 

ファッキンな現実を忘れるためにはこのくらいリアルじゃない方がいいなと思った。これはエッチな少女漫画や〜(腐女子の彦摩呂)

かわいい話で癒されたい人におすすめですね。

 

仇椿ゆがみて歯車

 

 

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あらすじ

 憎くて愛おしい、命をかけた剣と肉の交わり。
稀代の剣の達人・間宮に押しかけ弟子入りした侍・一馬。
その真の目的は父の仇討ちだったが、間宮の剣の
すさまじい美しさと生き様の寂しさにどんどん惹かれてしまい…
また間宮も一馬の目的を知りながら、その天真爛漫さに、
自分が斬った彼の父親の面影を重ね心が揺れる。

互いにどうしようもない激情で体を重ねてしまった二人。
しかし無常にも仇討ち試合は迫り来る―!

 

CP・属性
和田一馬(曽我雄之進)×間宮刀爾郎

陰のある健気ワンコ攻め×黒髪陰気美人受け

感想

 

私は創作歴史BLを漁ってた過去があるくらい歴史BLもの・仇討ち復讐ものが好きなので目にも止まらぬ速さで購入した。それはもうるろ剣の天翔龍閃よりも早かったから。

しかもワンコ攻め×陰気美人受けは私に刺さる。属性が全身に刺さりすぎて武蔵坊弁慶の最期みたくなってしまった。

しかもすごい陰のあるワンコ好きなんだよね。いや陰のないワンコも好きだけど。

 

まず言及したいのが、この作者の絵は好みというわけではないんだけど、画面の描き込みがものすごく細かくて、丁寧に作られているんだなと感じた。細かい部分なんだけど、寝るときにかい巻き布団かけてるのも江戸の風俗調べてるんだな〜と思った。うるさいこと言うと、時代劇好き的には斬り合いや稽古のとき股立を取って欲しかった。

後述するけど作画がものすごくてさ、一馬と刀爾郎の立ち合いは手に汗を握った。

 

一馬の恋の始まりって刀爾郎の剣技をみて惚れたところからだと思うんだけど、侍BLらしさがあって好きなところですね。一馬も剣の才能があるから圧倒的に強い刀爾郎に仇なのに心とは裏腹に惹かれてしまう…というのは剣客らしいきっかけで私は萌えポイント。別件の感想でも書いたけど、昔の剣客って剣を極めたくて身分を捨てた人もいるくらいなので、剣術が好きな人にしか分からない何か特別な魔力があると思うんですよね。だからまず剣技に惚れて内面に惹かれていくっていう展開はすごく腑に落ちる。

そして内面に惹かれていく過程も丁寧に描いてあって優しいところのある刀爾郎に悩みながらも惹かれる一馬に萌えた。これこれ、少女漫画でも2人がくっついたら途端に興味のなくなる過程厨の私としてはこういう丁寧な気持ちの変遷は飯をお代わりしたくなるほど大好物なんだよ!!!

 

ここまでなら最高の二文字で終わったんだけど、この物語は刀爾郎の過去編を挟む。過去編で一馬の父が出てくるんだけど、あ…これ…って腐女子の私ゴーストが囁くじゃん。

いやいや…と思いながら読み進めるじゃん。

武雄が惚れてしもうた!っていうじゃん、いやこれは人間としてだから!というBLマンガに対して無理な解釈するじゃん。

2人がキスをするじゃん。

いや…いや…これは…これは…

そして2人がくんずほぐれつにいやこれは武雄過去の男じゃん!!!!?(血涙)

過去の男に心がある展開が一番萎える。なぜなら私はNLでもそうなんですが、運命の相手カプが大好きなドリーム・現実逃避女だからです。二次元でくらい夢見たっていいじゃん。好きな人は一生に一人がいいんだい!運命的に出会った運命の相手だから一生を添い遂げてほしいんだい!

まあ萎えたっちゃ萎えたんだけど、この作者は心理描写が丁寧な上に、武雄の存在がなければ刀爾郎の悔恨も生まれなくて、似ているから好きなのか?という迷いと一馬に救われるというエモい展開も無くなってしまうんだよな。全てが噛み合っているんだよな。

 

武雄との蜜月もすごい萌えるところがあってさ〜。

今夜お前を抱きに行く宣言された後に武雄に自分が刺客だと気付いて欲しくて色々いうんだけど、武雄は茶化すんだよね。ここ、武雄は何となく気づいてるけど刀爾郎の出自はどうでもいいから茶化したんだと私は思ってて、度量が広いのはいいなーと思った。

そしてこの後接吻するんだけど、ここのサイレントシーンの刀爾郎の迷いながらも恋心には抗えない様子がエモ萌えだった瞬間99.8%(BLンチ最高瞬間視聴率ランキング)だったので手元にある人は読んでほしい。漫画が上手すぎるよ!!

幸せなひと時もこれから来るであろう別れを想起させて切ない感情で読んでた。

 

刀爾郎が何故武雄を殺したかって言うのは

 

その眼に武雄にあさましくも恋心を抱く自分が恐ろしくなったのは──

今まで刀を握ってきたその手が

武雄と会える日を指折り数えて待つ手となった

恐ろしかった

刀は溶かされ

心はほだされ

肉の快楽に流されて

おのれがおのれでなくなっていく

 

という刀爾郎のモノローグが全てだと思う。きっと幸せが怖くなってしまったんだな。それを失うのも。

武雄が一切歯向かわなかったのも、今際の際に「行くな」と言うのも愛を感じて切なかった。武雄はさー刀爾郎を行かせてしまったら彼が後悔で不幸せになるって分かってたんじゃないかなー。

そしてりう殿いい女すぎないか?愛した男共有するのはまだ妾としての立場から理解できるものの惨殺されたのを目の前で見たんだぞ?人間ができすぎてるだろ。武雄ならこうしたということなのか…いやそれにしても復讐心に燃えないのは人間が…できすぎている…。私なら仇討ちします。

 

一馬が刀爾郎のことばかり考えて大好きになっていく過程がめちゃくちゃ可愛くて萌えてたんだけど刀爾郎は武雄のことばかり考えるのでニヤつきながら歯軋りをする修羅の顔

 

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(これを足して二で割った顔)

になってた。あまりにも一馬がかわいそうで、その男お前の父親が好きだからやめとけよぉ;;;と画面に向かって説得したが一馬は二次元の男なので私の声が届くはずもなかった。

でもさっきも書いた通りこの話は刀爾郎が武雄を殺したことを無意識のうちに罰して欲しいと思って一馬に斬られることを望んでいるのがエモいところでもあるので話のエモさと「すきになっちまったよう」と泣いて告白する一馬がかわいくてかわいそうで心がめちゃくちゃになってドラミングしてしまった(ゴリラなので)

 

二人の仇討ち試合BL漫画とは思えない力の入りようで読み応えがあった。でさ、一馬が惚れたのも剣技からで、刀爾郎が一馬自身をちゃんと見るのも真剣勝負で剣を交えたからっていうのがほんっっっっっっとうに萌えたし燃えた。分かってる…!この作者、侍BLの萌えどころ分かってる…!!!(固い握手)

 

一馬のことをちゃんと個の男として認識するところのモノローグが好き。

 

この男はこんなにも

私を慈しんでくれていたのだ

 

ようやく気づいたんかい!!!!遅いわ!!!!!!!(怒り)(泣き)(怒り)(号泣)

 

仇討ちの佳境である一馬が泣きながら刀爾郎に斬りかかる見開きのページがつらすぎて藤原竜也になってた。(な゛ん゛で゛だ゛よ゛ぉぉぉぉぉぉ!!!!)

 

最後結局腕一本で済んで、本当にこれがBL漫画で良かったと思った。これが藤沢周平だったら刀爾郎は死んで一馬は晩年後悔しながら生きたと思う。その展開でも正直美味しいけどね。

最後の腕を落とした展開は、仇討ちの成果が必要だったという他にも、刀爾郎の中の武雄への未練を断ち切ったという暗喩でもあるのかなと思った。

感情の変遷が丁寧で、過去の男はいたものの最後は似ているからではなく一馬自身をすきになったし、読み応えがあったしで大好きな漫画になりました。名作です。

 

あおに鳴く

 

 

あらすじ

記憶を失いながらも新しい生活に馴染んできた菊と仮の保護者の司朗は穏やかな日々を過ごしていたが…徐々にそれらは失われていく。手探りで過去に触れ、自分達が何者なのかを知った菊と司朗の運命は…? 寡黙な男子高校生と記憶喪失の青年の時を繋ぐ連鎖の物語。

CP・属性

あおに鳴く

嘉山 司朗

ダウナー無感情攻め×黒髪健気受け

 

感想

試しに一巻読んでみるか〜と思ったらドストライクな黒髪つり目がいたので続刊も買っちゃった。

しばらくBLらしい事しないからBLということを忘れてただイケメンかわいい菊さんを堪能する漫画になっていたが妄想の中で他の男に抱かれる菊さんが出てきたり、接吻をされて真っ赤になる菊さん(かわいい)(最高)で、もしかしてこれ菊さんが受けなのか?と気づきガッツポーズをした。すごい、仇椿ゆがみて歯車といい、2連続で黒髪が受けだ。最高。いや黒髪の男は存在が愛らしいので受けでも攻めでもヘテロでも萌えるけど(なんでもいいんかい)

 

菊さんの最高なところあげてってもいい?

・すごく律儀(司郎の家に厄介になるとき名乗りを上げて挨拶をした。昭和の軍人らしい律儀さで好き)

・電子機器ではしゃぐ(ただただかわいい。もっと遊んでいいぞという気持ちになる)

・笑顔が無邪気(無邪気。五歳児)

・ドリアを箸で食う(食べ辛くないのか?と笑ってしまった)

・料理が上手じゃない(かわいい)

・畑仕事だいすき(夢中になっちゃうね~かわいいね~)

・寝姿がセクシー(147Pの寝姿がセクシーすぎてマリリンモンローの再来かと思った)

・顔が好き(全てはそこ)

・素はべらんめえ口調(育ちよさそうな顔してるのに粗野な口調ギャップ萌え)

 

爺さんの写真が出てきたとき主人公に似ていたので菊さんは爺さんの恋人だったりして〜ハハハまさかな〜と思っていたら本当に爺さんと好き合っていて漫☆画太郎作品のようにひっくり返ってしまった。(ズコーーーーッッ!)

 

 

どうしてだよォ!!!!?!?なんで……なんで2連続読んだ漫画で過去の男がいるんだよ!!!!!?(SAN値チェック)(不定の狂気)(即発狂)

 

 

過去の男がいるけど今愛してるのはお前だZE!っていうのが昨今のBLの流行だったりするのか?それがスタンダードならば私は血の涙を流しながらBL漫画を読み続けなければならない。

 

 

この漫画、余白が多くて登場人物の心情が分かりづらかったので二回読んだ。(私の読解力がなさすぎた)

でもどうしても菊さんが過去に戻る必要性を感じなくて、作者が離別エンドにしたかったのかなと思ってしまった。だって菊さん戦死したことになってるから問題なくないか?ケジメをつけるって実際に爺さんに会わないとケジメは付けられないのか?菊さんの気持ちの問題では?

タイムスリップしたことで時空に歪みが出て過去がおかしくなって…というSFテイストにした方が納得できたかもしれない。もう少し私のようなアホでも分かりやすいように心理描写を密にしてからの離別描写だったら萌えたかもなと思った。

 

あと

 

悪くないな 司郎が呼んだなら

 

と菊さんが言って

 

俺は泣きべそかいてるガキじゃないよ 名無しさん

 

と唐突にブチ切れる司郎。

 

シンプルに怖い。

感情豊かじゃないキャラがよく分からない怒りのツボでブチ切れるの、シンプルに怖い。

 

設定とキャラクターは美味しい分なんか残念だった。行間読むのが得意じゃないタイプには合わない漫画なんだろうなと思った。

なんつーかこれは私の好みなんだけど、離別エンドでも取り返しのつかないすれ違いをしたまま離別して後で相手の真意が分かってあの時ああすれば…というままならない想いを抱えて一生悔恨の念を抱え余生をすごすというのが深く心に刺さるタイプなのでラストの味付けが違えばなーと惜しさを感じてしまった。

 

ラムスプリンガの情景

 

 

 

あらすじ ラムスプリンガ――アーミッシュが、敬虔なキリスト教徒として彼らのコミュニティに残るか、家族を捨て外の世界で生きるかを決めるための、俗世を体験する期間。 ――80年代アメリカ。 ブロードウェイの夢破れ、田舎の街でウエイターと男娼をしているオズは、ある日、バーに来たラムスプリンガ期の青年・テオを“客"と間違え部屋に連れ込んでしまう。行くあても無いテオを放っておけず、つい面倒を見てしまうオズ。アーミッシュであることを馬鹿にされても怒ることも、疑うことも知らない純粋な彼に触れるうちにオズはニューヨークで擦れていた気持ちが絆され、彼を愛するようになるが…。

感想

また黒髪受けだ!!!!しかもワンコ攻めだ!!!!!!やったー!!!!こんなに連続で当たりを引いていいのか?と不安になってきた。

しかも表紙で受け攻めが分かりやすいのいいですね。半裸でエロい顔してる方が受けって腐女子法度で決まってるからな。半裸でエロい顔してる方が攻めでもいいじゃん派もいると思うけどそれもいいと思う。エッチで可愛い攻め、いいよね。それは別の国の法度なんだよな。ほら、性癖を戦わせるという意味では腐女子って戦国時代の武将みたいなところあるので、自分の治めてる国によって法度って違うと思うんですよ。自分だけの国を治めようぜ。

 

これ読んでるとき洋画のブロークバックマウンテンを思い出していた。ゲイとアメリカとキリスト教っていう共通点で連想したんだと思う。雰囲気が洋画なんだけど、ちゃんとBLなので、ゲイを主題とした映画よりは軽い感じで読める。ゲイを主題としてる映画は周りからの差別に苦しみ抜いてこれからもその苦しみと戦わなければならないんだろうなという結末が多いけど、この作品は二人は幸せになったからいい読後感だった。

 

あと絵柄がめっちゃ好き。目元とか昔の少女漫画っぽいんだけどちゃんと最近風にしてるからすごいなと思った。背景描くところは描いて抜いてるところは抜いてるので読みやすい。

 

私、アーミッシュっていうのは作者のオリジナル設定なのかなと思っていたら本当にいる人達なんですね。無知だから勉強になった〜!

 

この作品、ちょいちょい入るアメリカンジョークがそれっぽくて好き。「タバコが一本でホットドッグ50本分の栄養」とか「

 

厭世的ではあるがなんだかんだで優しいオズは行く当てのないテオを泊めてあげるんだが、テオがめちゃめちゃに可愛くてつらぃ。。。思わずメンヘラの匂わせツイートみたくなるほどつらい。

しかもテオのピュアさって設定に無理がないから納得できるんだよね。セックス自体はなんとなく知ってるけど、敬虔なクリスチャンで小さな集落出身だからあまり知識はないという塩梅が上手く表現されててめためたに萌える。私どっちかが童貞でどっちかが経験あるみたいなやつが性癖なのかもしれんと思った。ウブ受けも好きだがウブ攻めも好きだ……!

 

テオが町で不良に絡まれるシーンあるんですけど、オズがテオを慰めるためにした行動、なんだと思います?

 

シンキングタイム!!!

 

①ご飯を奢った

②セックスをした

③いいこいいこした

 

正解は④のシガーキス……でした……フゥ---ッ(合掌)(浄化)(解脱)

 

いやだって普通肉体言語で解決しがちなBLだったら慰めックスすると私のような欲に塗れた餓鬼は思うわけですよ。でも吾妻香夜先生は違う。選ばれたのはシガーキス。綾鷹も隣で腕組んで頷いてる。

私タバコ吸わないのでタバコに萌えなんてなかったんだけどここのシガーキスは、キスじゃないからこそ2人の絶妙な距離感とセクシーさが表現されていて浄化された涙を流しながら五体投地するしかなかった。ここが聖地ラサか。私のタバコの性癖根性焼きしかなかったけど新たにシガーキスが加わった。今なら神に感謝するテオの気持ちがわかる(一緒にするな)

 

いつかブロードウェイに連れて行ってというテオの言葉が人生のほんの僅かな期間しかないラムスプリンガの話ということを思い出して切なかった。

 

2人で車に乗って映画見にいくシーンがあるんだけど私はそこで正体不明になるまで暴れてしまった。マジでシャブかストロングゼロなんかな……と思うほどで、理性を失うくらい萌えた。受けに煽られて「お前が悪い……」と責任転嫁する攻めの気持ちわかったね。

ここのシーン言葉にするとマジで伝わらないし陳腐になるから、漫画読みながら感想読んで欲しいんだけど、テオが前にオズとしたキスが忘れられないと告白して、オズとキスをして、オズはその気持ちは勘違いだと言ってテオのを口で抜くんですね。オズは「頭ん中スッキリして治った」と突き放す。でも、テオは「今日は楽しかった」「でももういい、早く帰りたい」

 

映画より 音楽より 今いちばん経験したいことがある

きみの一晩 僕にちょうだい

抱かせてくれ オズワルド……!

 

このセリフ読んで2人がもつれるようにベッドに倒れ込んだシーンで私の意識がなかった。

なんかもう最高で好きという気持ちしかなくて最高で好きとしか言えない。

私恋愛モノは過程を楽しむタイプなんで、BLに濡れ場って蛇足だな……と思う人だったんだけど、初めてBL漫画で萌える濡れ場に出会ったかもしれない。衝撃だった……最高って言葉なんで最高以上の意味ないんですかね?

オズがどうせテオはゲイじゃない、経験が少ないから勘違いしてるんだ…と思って突き離したら本気だった。しかも性欲薄そうなのにオズのこと抱きたいって言うんですよ。恋しちゃってるじゃん。オズに恋しちゃってるじゃん!!友情と恋愛の差って性欲が絡むか絡まんかの差だと私は思うので、そこをロマンチックに描いている吾妻香夜先生はすごい。

ここのオズの表情もプリティプリンセスですか?ってくらい乙女なんで注目して欲しいです。

 

そして2人は濃厚なセックスをした後朝を迎えるわけなんですが、ここのテオのセリフがロマンチックすぎて泣けてきたので引用します。

 

たとえば オズが 女の子だったとしても

もっと歳が離れていて とても遠いところに生まれていたとしても

僕は必ずオズにどこかで出会って オズは僕にこの世界を教えてくれて

僕はオズを絶対好きになる

好きだよ オズ

僕はオズワルドが世界で一番大好き

 

セリフが刺さりすぎてドラゴンボールのラディッツ戦で魔貫光殺砲で貫かれるときみたいになってしまった。

 

魔貫光殺砲がテオのセリフで、貫かれてるのが私とオズです。

 

私仇椿歪みて歯車のところでもいったけど、運命の恋が大好きな女なのでこのセリフは私の萌えを全て説明してくれている。そう、例え相手がどんな姿だって二人は必ず恋に落ちるんだよな……運命BLの教科書を見つけてしまった。

 

オズの中でダンスでブロードウェイに立つことは呪いのようになっていて、父の夢を叶えなきゃ父を裏切ってしまうと思っていたようだ。その呪いを「愛してる」の言葉で溶かしてしまうテオの優しさが心に染みた。オズも忘れていた父に愛されていた記憶をテオからの愛情を受けて思い出したようだ。オズが自由で楽しい世界をテオに教えて、テオはオズの呪いを解いてあげるという、お互いの足りないところを補い合うことが私は愛だと思うので、このカップルがすごく好きだと思った。

 

まあやはりというか、幸せは長く続かずダニーに見つかってしまうんだな。

ダニーはテオを汚れなき天使だと思っている処女厨のテオ過激派オタクだったようだ。まあ信仰している対象は汚れないし性欲もないと思いがちだよねわかるわかる。私も推しを神だと思っている節があるので原作をやり直していてベッドシーンに入るとあまりにも人間すぎてショックで卒倒するもんな。

ラムスプリンガを終えると永久追放か、永遠に外に出ずアーミッシュとして暮らすかの二択ということをオズは知って、テオの言葉に隠されていた覚悟の重さを知るんですよ。

んでオズはテオを想って身を引いてしまうんだ……オズはさー、家族がもういないから、家族の大切さっていうのが誰よりも分かっているんだろうな……(涙)

なんだかんだあってラリった男に犯されそうになるオズ。めちゃくちゃにされちゃうー!と読者もオズも思ったところで助けに来たのはテオでした。

 

なんだこれめちゃくちゃBL漫画じゃん(歓喜)

 

今までなんの漫画だと思って読んでたのか。腐女子はお約束が好きなんだよな。

いつもの天使みたいなテオとは思えないくらいボコボコにしてて、オズがもういいと抱きついて止まるまで殴り続けてた。どうしちまったんだテオ!と思ってたら、本当は馬鹿にされているときも殴ってやりたかった、本当は優しくなんかないとテオは言うんだよね。そういいつつもオズを気遣う言葉を言うテオは優しいと私は思うけどね。人間は感情があるから豊かだと私は思うので、怒ることを許されないってマジでロボットめいてるとおもう。なので、テオがあのときちゃんと怒りの感情を抱いていたことになんだか安心してしまった。

 

一度はテオを拒絶するオズなんだけど、でかいわがままを言う時が人生一度はあるという言葉に背中を押されてテオをバイクで村まで迎えに行く。

 

「俺と生きてくれないか」

 

とテオに言って攫うところで私の頭の中では教会の鐘と天使が大合唱してた。

俺と生きて欲しいってすなわち結婚やん。

バイクで好きな相手攫うってそれ月9のキムタクくらいでしか見たことないよ?最高、分かってる。ロマンチックBL好きな腐女子は月9展開が大好き。

でさ、やっぱり故郷から手を引いて連れ出すのがオズっていうのが出会いを踏襲していてすごくいい。

 

と携帯を手放して大の字でしばらく放心して続き読むか…と思ってたらダニー辛すぎん?

ダニーは恋愛感情じゃないけどテオにめちゃめちゃ執着してたんだろな…と思った。テオ激推しだったもんな…テオの結婚引退さぞかし辛かろう…とめちゃめちゃ同情してしまった。

 

最後の「愛してるよ…」はオズだけじゃなく、置いてきてしまった故郷や家族たちにもかかってるんじゃないかなーと解釈してほろ苦い感情になった。

 

ラムスプリンガの情景はセリフ選びが秀逸ですごく私の感情を揺さぶった作品だった。今年の私のBL大賞ナンバーワンです。

 

 

まだいっぱい買ったんだけど、あまりにも萌えながら書きすぎて息切れしてきたからここまでにします。ほんとオタクならわかってくれると思うけど、萌え作品を摂取するときって、萌えすぎて息切れするしゴロゴロ転がるしくそでかため息つきながら読むから体力消費しない!?

 

いつも私は商業BLは主に小説を買っていた上に、気に入った作家しか買わないので、せっかく爆買いするなら全く知らない作家を中心に買おうと思ってあらすじ見て良さげなの買った。結果いい出会いがあったから正解だったな〜と思った。

次はラブコメも読みたい!!!!有閑倶楽部とかみたいなやつ!

欲を言えば萩尾望都や小野塚カホリのようなJUNEっぽい作品や、私の大好きな木原音瀬みたいな執着と身の切られるような話にも当たれば光の私と闇の私どちらも満足できたんだがな!!!

 

BLゲームばっかやってたけど、久々に読むとBL漫画も最高だなと思いました。

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